ハイカラ さん





顔剃りと、クルクル髪形

冬のある日、母が顔を剃ってくれた。
「いつもきれいに剃っていないと、眉毛が一本になっちゃうよ」というのが母の口癖。
こそばゆいので、もじもじ身体を動かしたいが、そうすると怒られる。

姉の可愛らしい髪形はいつまでも忘れることができなかった。
母が鏝(こて)を熱くして、髪の毛をきれいにカールさせ、結い上げたのだが、
くっきりとした目鼻だちにカールの髪形は、本当に可愛らしい。

しかし、この写真を掲載するのに姉に当時の話を聞いたら、驚くような答えが返ってきた。
「本当はね、みんなに可愛い、おもしろい、と言われて、すっごく嫌だったの。
それで半分泣きながら、元に戻して頂戴って、たのんだのよ」

でもやっぱり、この可愛らしさはピカイチだと、わたしは確信している♪





しゃぼん玉とダッコちゃん

しゃぼん玉は当時の数少ない遊びの一つ。
最初の頃は石鹸を削って水に溶き、いい感じに泡が立ったら、
そこいら辺に生えている茅を折ってきて、フゥーっと。
そのうちに、しゃぼん玉液が店で売られるようになり、茅からビニール製のストローに変った。

ダッコちゃんにフラフープ。
我々の世代をダッコちゃん世代というらしい。
村のなかで一つ二つしかなかったのが、当たり前にどこの家にもあるようになり。
それが、一家に一つではなく、一人に一個という頃には、飽きられるようになった記憶がある。
空気が抜けて、首をかしげたダッコちゃんが、ちょっと可哀そうだった。






仲のよい両親、というより、ここまで来ると、おもろい夫婦

きちんとした格好の父親と着物姿の母。たぶん正月の時の写真だと思う。
冬の間は着物姿のことが多く、それに割烹着をあてた母が好きだった。
わざわざ服を着た格好でボタン付けをして貰い、舌を出してふざけている父。
おもろい夫婦の後ろに見えるのは、大好きな「ペスよ尾をふれ」を皆で聞いたラジオ。



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