ハマナス と オンコマメ





此の砂山に上がると、ハマナスの実や、はえ松の実を食べながら
母と海から帰って来た昔がよみがえる

(父のメモより)


幼い頃は海へ遊びに行くのが一番の楽しみだった。
貝殻を拾ったり、松林の端っこで松露を探したり、海辺には遊べる物が沢山ある。




波と戯れる。と、よく言うが、風が出て波の勢いの強い時は
波との追いかけっこのようになる。
キャーキャー言っては素足をくすぐるように引いていく波の感触を楽しんだ。

よく遊んだ後は昼のお弁当。
殆どは簡単なお握りだったが、いつでも美味しいごちそうだった。










海辺で食べるおやつは海辺で調達 (^-^)v
ハマナスの実は種にふれないように、皮と僅かしかない果肉を食べる。
甘酸っぱい実は好きだが、ハマナスには小さな鋭い刺が沢山あって、痛い思いをしたことも多い。

もう一つのおやつは「オンコマメ」
一番上の写真の説明に「はえ松の実」とあるのがそれである。

這杜松(ハイネズ)という、松を小さく低く這わせたような植物に、オンコの実に似た実をつける。
子供の頃からその実をオンコマメと呼び、不思議な香りと味を楽しんだ。
這杜松の葉が鋭く、その中に埋もれたようにある熟した実を採るのは大変だったが
やはり楽しい遊び、嬉しいおやつだった。


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子供の頃に食べた懐かしいオンコマメの香りを思い出しながら
夏の夜に飲むのはジントニック。

初めてジンを飲んだ時からその香りが好きだったが、
ジンの原料となるジェニパー・ベリーとオンコマメが、親戚らしいことを知ったのはずいぶん後のことである




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