浜の仕事 2





船上で刺し網の網をたぐっている父


網を担いで漁に向かう父
                                               


遠浅の湖での漁は刺し網が多い。
網の目の大きさでも違ってくるが、十三湖は潟湖という事もあって

ウグイなどの川魚の他にボラや鮭など海の魚も網にかかる事が多い。
十三湖にあがるボラやウグイは癖がなくて美味しいと、昔から評判が良い。

右の写真で父が着ている上着を、この地方では、なぜか「テッポウ」と呼んでいた。
厚地の木綿の生地、薄い中綿、腰を包見込む丈の長さ
寒さを防ぎ、なおかつ動きやすいように作られているようであった。







チカ網を仕掛ける母


チカ網に掛かったハゼを外す父

チカやワカサギ、ハゼなどを採る為の目の細かい網を「チカ網」と呼んでいた。
遠浅の湖に「胴長」を付けて(履いて)刺し網を仕掛けるのだが、
天気が穏やかな時は、母もこのようにして湖に入り、父と共に浜の仕事に精を出す。

網に掛かった沢山のハゼを網から外すのは、結構大変な作業である。
学校から帰っていると、子供達も駆り出されて作業する事もあった。







ハゼを干す母


時には袋詰めにして売る事もあった


春先に、卵のいっぱい入ったチカやワカサギの天ぷらは、ほっぺが落ちるくらい美味しい。
秋のハゼもまた、背開きにして天ぷらにすると、さくっとした歯触りと美味しさがある。

そうして沢山食べたあとは、日に干して、冬の間のおやつやダシをとる為の保存食にする。
干すのは小魚ばかりではなく、ウグイなども乾燥し、袋詰めにして売る事もあった。
個人の商売ではなく、村の婦人会などで、まとめて納めていたと記憶している。




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