観桜会 と おやつ





観桜会、つまりは「お花見」のことである。
周りを海と湖に囲まれた十三湖畔に住んでいると
一年に2〜3回、遠くの町へ遊びに行くのが大きな楽しみであった

青森県は弘前公園の桜が全国的に有名だが
私達が毎年のように出かけたのは
弘前よりは親戚のいる青森の方が多かった。

旅館に泊まることなど考えられず、
叔父さん伯母さんの家に泊まって楽しく過ごし
お握りを作って、皆でお花見に行く

桜の花が咲いていなくても、少しぐらい寒くても
美味しいアイスを舐めていれば嬉しい。







一緒にアイスクリームを食べる父

普段は難しい顔をして仕事をしている父も
こういう場所では子供と一緒にはしゃいでいる










母もこういう日は着物姿になる

車酔いのひどかった母はバスに乗るのが辛く、青森へ行くのも日帰りではとても無理であった。
こういう時に親戚が住んでいるのは心強い味方がいるようなもの。

普段は、つぎはぎだらけの服が当たり前だったが
こういう時はきれいな洋服を着ることができて、それも嬉しかった。




観桜会は津軽の訛りでいうと「かんごうかい」となる。

小さい頃から、花見に行くとは言わずに誰もが、かんごうかいへ行くと話していた。
今はもうその言葉を使う人も珍しくなり、
桜の頃になると「桜を見に」又は「花見に行く」と、普通に言うようになっている。












みんなで おやつ

家の外で食べるおやつは何時でも美味しい。
そのおやつが湖でとれるカニだったら、なおのこと嬉しい。

湖に仕掛けた刺し網に魚と一緒にモクズガニが掛かってくる
大きな鍋で煮て、遊びに来ている近所の子達と一緒に食べる。
そんなには大きくなくて殻も固いカニだが、
身の甘さ、卵やミソの美味しさは他のカニに引けをとらない

子供の頃からこうして食べていて
今でもたいていのカニは箸一本で食べることができる








かき氷

夏の定番のおやつは冷たいかき氷
村の真中の店では、夏になるとかき氷を売っていて、よく食べに行ったのを覚えている。

店のおばちゃんが、手回しの機械をグルグル回すと、
昔懐かしいかき氷の器にサラサラと落ちて、見る間に白い山が出来上がっていく。
単純な氷水、赤い色の氷イチゴ、少しリッチに練乳を入れて貰うと
ピンクのイチゴミルクの出来上がり。






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