テレビが家にやってきた






初めてのテレビ。リヤカーを押して家に向かう皆は、とびっきりの笑顔。








近所の子供たちも集まって、歌が始まると拍手をする。









いつもは浜で一緒にチャンバラごっこをしている男の子たちも
初めて見るテレビに夢中になっている。








好きだった時代劇は「琴姫七変化」
外からの日差しを遮る為に、窓に下げているのは、母の角巻だった♪









湖畔の我が家にテレビが来たのは昭和33年のこと。
自力で買えるほど裕福ではなく、では何処からテレビがやってきたのか?

父が投稿していた組み写真が、カメラ雑誌の年度賞の二位になった。
カメラ雑誌の会社から連絡が入り、賞品を送りたいが、なにか欲しいものを教えてほしいと言う。
姉妹三人が、揃ってテレビが欲しいと手紙に書いた。
テレビ・テレビ・テレビが欲しい・・・そうして我が家にテレビがやってきたのである。

アンテナを立てる時には学校の校長先生が見に来た。
普段は浜で遊んでいる子も遊びに来て、一緒にテレビを見る。
それから数年の間、大晦日の紅白歌合戦を見る為に近所の人が集まった。

もの悲しく見える湖畔の一軒家が賑やかだった頃・・・。



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