日向夏の マーマレード2008 (5月15日)



香りも酸味もピカイチの果実
はるばる九州からの取り寄せは
もう十数年続いている。

この頃は種の入らない種類も多いが
種の入った露地ものを購入。
日向夏の魅力は香りや酸味の他に
皮と実の間の白い部分。

これが甘くて美味しく、
食べる時は、皮を薄く剥き
なるべく白い部分が多くなるようにする。
マーマーレードを作るのが目的なので
一気に12個の日向夏の皮を剥き
細かく刻んでいく

鍋にこんもりと、刻んだ皮の山ができる。
鍋はステンレスに見えるが、実はチタンの片手鍋
酸にも強いうえに軽くて使い勝手が良いので
大中小と揃えている

皮は一度湯でこぼし、
二回目は15分くらい煮て、その後水にさらしておく。
時間はそんなに長くなく、
せいぜい10分か20分ぐらい
小鍋に入っているのは種
側にあるのは果肉と皮の間の白い部分と、果袋。
全て、ペクチンを取り出すために必要。
白い部分は結構な量があって
そのまま食べても甘くて美味しいので
少々勿体ない気もするが、
ペクチンを抽出する為に煮詰める。

苦みが強いので一度湯でこぼし
その後、更にひたひたの水を加えて
煮詰め、ペクチンをとる。
果肉を取った後の芯と袋の部分
中心を残すと、
こんなに面白い形になる。
これも白い部分と一緒に煮つめて、
ペクチンを抽出する。

40分ぐらい煮詰めると
この面白い形は溶けて形が分からなくなってしまう。

種から取り出したペクチン


種を煮詰めて抽出し、ざるで漉したもので、
かなり濃く、ドロッとしたというよりも
粘りのある濃さ。色は透明に近い感じ。

白い部分と果袋から取り出したペクチンは
やや白っぽい感じがする。
ちょっと分かりにくいが、果肉とジュース
去年までは先に煮詰めていたが
今年は皮に混ぜて同時に煮詰めることにした。
二回、湯でこぼして水にさらした後
ざるに上げて水を切る。
サラシに包んで絞り、鍋に入れる。
果肉の混じったジュースも
ペクチンも一緒に入れて煮詰める
砂糖は少なめで、数回に分けて入れ煮詰める。
好みの濃さまで煮詰めたら
熱いうちに瓶詰めにする。

なぜか煮詰めている所を写し忘れる(^^ゞ
大きな鍋で、気長に煮詰めた。
一回目、12個の日向夏からできたマーマレード

手頃な空きビンを用意しておき
消毒と香り付けをかねて、ブランデーでビンの中をすすぎ
一気に詰め込む。

(この工程だけは夫の仕事)
マーマレードはトーストによく合う
その他に合うのはヨーグルト
カスピ海ヨーグルトを毎日作っているので
その組み合わせが一番美味しく感じる。

バターを塗ったトーストに
ヨーグルトとマーマレードをのせ、
ぱくっとかじると、日向夏の香りが口に広がる♪



日向夏を毎年食べるようになって18年になるが、
日向夏との出会いは更に遡って三十数年前のことになる。
それは短大一年の春のこと。
当時は寮生活をしていたが、全国各地の出身者がそれぞれに郷土の土産を持ちよってきていて、
その中に日向夏があった。
宮崎県出身の寮生だったと思うが、日向夏の皮を剥いて切り分け、
「果肉は酸っぱいけど、白いところが甘くて美味しいのよ。白い部分を食べてみて」
と、何度も繰り返し言っていたのをはっきりと記憶している。
初めて食べる日向夏。
果肉の酸っぱいのと、白い部分の甘さが珍しくて、とっても美味しかった。

あの時に食べた日向夏と今の日向夏、幾分違うようにも思える。
魅力のある白い部分が少なくなり、酸っぱい果肉は酸味が減って甘味が増したようだ。
おまけに種の少ない種類も出てきて、ずいぶん食べやすくなっているらしい。
多くの人に受け入れられるよう改良を重ねた結果と思うが、
初めて食べた、白い部分の分厚い日向夏が懐かしく感じられる。



*・・2回目に作った時は種から抽出したペクチンのみを使用。
甘味の少ないサラッとした感じのマーマレードに仕上がった。



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